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アケボノソウ(曙草)

おしゃれな花だ。白い星形で、花びらには緑の斑点2つと紫の細い点がちりばめてある。その模様を夜明けの星空に見立て名づけられたらしいが、これもまたいい。山地の水辺や湿地に生えるリンドウ科の2年草。高さは60cm前後が多い。花が小さく、近くで見ないと模様の美しさに気づかない。

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ヤブツルアズキ(薮蔓小豆)

日差しが柔らかくなるのを待っていたかのように、草むらでヤブツルアズキの黄色い花が目立ち始めた。踊るようにねじれた花と濃い緑の葉がよく合う。畑で栽培するアズキの原種といわれる1年草。ノアズキに似ているが、ヤブツルは実が棒状に垂れ下がるのと、葉の先端がとがることで見分けられる。

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ノイバラ(野茨の実)

秋から冬にかけて赤く色づいたノイバラの丸い実がかわいい。葉が落ちた後も枝に残り、冬の枯野を点々と彩ってくれる。初夏に咲く白い花も香りがよく、きれいだが幹のとげには泣かされる。成長が早く、垣根にすることも多い。実は漢方の利尿剤や蒔いてバラの台木にも使われる。

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メガルカヤ(雌刈萱)

数年前、三瓶山の宿で何ともいえない魅力ある草花に出会った。小さな花瓶に生けられ、少し寂しげな風情が部屋の雰囲気にぴったり。後でメガルカヤと分かった。道ばたや草地などに自生し、高さは1mほど。褐色の葉のわきに白い花穂をつける。カルカヤは屋根ふき用に「刈る茅(かや)」の意味。

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アケビ(木通)

春に宝石のような花を見せていたアケビが、口を開けた大きな実をぶら下げていた。からみついた木によじ登り、実を採って食べたころを思い出す。果肉には黒い種が多くて食べにくかったが、甘くて風味があった。つるはかごなどの材料にも。花言葉は「才能」「楽しい発見」。通草とも書く。

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ダンギク(段菊)

名前はキクだが、小さな紫色の花を輪状に咲かせ、ふつうの菊とは趣が違う。花が段々につき、葉が菊に似ていることから名前がついたとか。九州北部などに自生。潮風が当たるような海辺や山ぞいに生えるため、高さ30cmほどだが、庭で育てると60cmにもなる。全体に軟毛が生え、白っぽく見える。

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シオン(紫苑)

秋の青空をバックに、野菊のような花をつけるシオンは見るからにおおらかだ。湿気のある草原に自生するが、平安時代から庭に植えて親しまれてきたといわれる日本原産の草花。背が高く、葉や茎の表面がざらつくのが特徴。花言葉は「離れた人への熱い思い」「追憶」

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シュウカイドウ(秋海棠)

ハート型の大きな葉に、うつむくように咲く淡いピンクの花。シュウカイドウはどこか色っぽい雰囲気のある花だ。茎の節々が赤いのと、左右の葉の大きさが違うのが特徴。中国南部の原産で江戸時代初めに渡来とか。草丈は50cmほどで湿気を好む。瓔珞草(ようらくそう)の呼び名も。花言葉は「親切」

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ムベ(郁子)

手のひらのようなつるつるの葉にふっくらとした果実。アケビに似ているが、はっきりと違うのは葉が常緑で、実が開かないこと。同じなのは果肉が甘いことだ。山地のつる性植物だが、生け垣や庭植えも多い。初夏に咲く黄白色の花は香りもいい。花言葉は「楽しい日々」「愛嬌」

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ナツハゼ(夏櫨)

ブルーベリーに似た黒い実は甘い。山歩きで乾いたのどを潤してくれるうれしい果実だが、紅葉の美しさもまた格別だ。日当たりのよいものは夏ごろから色づくことからこの名前がついた。初夏に紅色をおびた釣鐘形の花が咲く。高さ1〜2m。樹形がよく、生花にも使われる。実の色から「ヤマナスビ」と呼ぶ地方もあるそうだ。

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ツルニンジン(蔓人参)

やさしい秋の日差しを受けてツルニンジンがかわいい花を揺らしている。林の中で木の枝に茎をからませ、ふっくらとした鐘形の花を下向きに咲かす。中をのぞくと紫色の模様がすてきだ。風船を思わせる緑のつぼみもおもしろい。名前は根が朝鮮人参に似ていることから。花の模様を翁のソバカスにたとえて「ジイソブ」の呼び名も。

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キブネギク(貴船菊)

京都の貴船地方に多く見られていたことからついた名前らしいが、シュウメイギク(秋明菊)の別名も。野山の半日陰に生え、高さは70cmほど。直立した枝の先に菊に似た八重の花が1輪咲く。近年は交配が進み、一重咲きや花の色も増えた。原産は中国。花言葉は「淡い思い」「忍耐」

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アキノノゲシ(秋の野芥子)

透(す)き通るような薄黄色の花は秋の空によく似合う。直径2cmほどの花は地味だが、草丈がのっぽだからすぐ目につく。花が開くのは日中だけ、夜や雨の日は閉じる。道ばたなど日当たりのよい場所に自生し、高さは2mにも。変わった形の葉も多く、茎や葉を傷つけると白い液が出る。春に咲くノゲシに似て秋に咲くのでこの名になったとか。

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キンエノコロ(金狗尾)

黄金色に光る花穂をまっすぐに立て、楽しそうに背くらべをしている。子どもたちが遊ぶ穂のたれたエノコログサに比べれば、そんなに親しみはないが、逆光で見るとキラキラと輝いてきれいだ。日当たりのよい道ばたなどに群生し、高さは50cm前後。エノコロは子犬の尾に見たてての名前。

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ニシキギ(錦木)

ごつごつした幹には似合わない見事な紅葉。その葉が散ると、赤いてるてる坊主のような小さな実がまたかわいい。紅葉を錦にたとえて名づけられたらしい。幹にコルク状の翼があるのが特徴で、翼の形からカミソリノキなどの呼び名も。花言葉は「あなたの魅力を心に刻む」。

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ガマズミ(莢ずみ)

初夏にきれいな白い花で楽しませてくれたカマズミが、秋にはかわいい実で和ませてくれる。真っ赤に熟れた実を食べ、甘酸っぱかった思い出がなつかしい。昔、この実で衣類を染めたとか。枝は折れにくく、杖や輪かんじきなどに使われたという。花言葉は「結合」「未来」。

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ナンテンハギ(南天萩)

葉がナンテンに、花がハギに似ているからナンテンハギ。野山の草に混じって自生しているが、あまり知られていないのはかわいそうな気がする。地味な花に加え、茎が伏せているせいかもしれない。高さは50cmほど。夏ごろから葉のわきに柄を出し、1cmほどの紅紫色の花をつける。春の若芽は山菜にも。別名は「フタバハギ」。

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ツリガネニンジン(釣鐘人参)

釣鐘に似たかわいい花が風に揺れている姿は風情があり、秋には欠かせない花の一つだ。道ばたから山の草地まで広く自生し、夏ごろから青紫色の小さな花を輪状につり下げる。草丈は50cm〜1m。花の形が釣鐘に、根が朝鮮人参に似ていることから名前がついたらしい。若芽は山菜に、乾かした根は漢方薬に使われるそうだ。

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シロバナサクラタデ(白花桜蓼)

数あるタデの中でもシロバナサクラタデには独特の雰囲気がある。枝先に長い花穂を伸ばし、サクラに似た白い小さな花を咲かせる。“清純な”の表現がぴったりの花だ。田んぼや川原、溝など湿地に生える多年草で、地下茎で増えるため群生していることが多い。高さは80cmほど。花の色が桃色のものをサクラタデという。

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キクイモ(菊芋)

夏から秋にかけ、道ばたの荒れ地で黄色の花をたくさんつけたキクイモが目をひく。花が菊に似て、根っこにイモができることから名前がついたらしい。が、花は菊よりヒマワリに似ている。高さは2mほどにも。北米原産で江戸時代に渡来。イモを食料や飼料にするため、戦時中は各地で栽培されたという。花言葉は「美徳」「陰徳」。

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ジュズダマ(数珠玉)

ジュズダマ、といっても知らない人が増えてきた。ひと昔前、女の子はこの実でお手玉を作ったり、糸を通して数珠にして遊んだものだ。川や田んぼの周りなどに生え、高さは1m余りにも。秋の初めに花をつけ、実を結ぶ。実の色は初めの緑色から黒くなり、やがて光沢を帯びた灰白色へと変化し、非常に堅くなる。

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ナナカマド(七竈)

紅葉の季節。というとまず思い浮かぶのはモミジだが、ナナカマドの紅葉も負けてはいない。落葉のあとに残る赤い実もまた見事だ。7月ごろ、枝の先に白い小花を群がって咲かせる。木が堅く、かまどに7度入れても炭にならない、とこの名前がついたらしい。だが、実際は備長炭の材料にもなるし、細工物に使われる。

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ノコンギク(野紺菊)

ヨメナなどと並ぶ代表的な野菊の一つ。日当りのよい野山でよく見られる。草丈は60センチほど。直立した茎に小枝をたくさん出し、青紫色の花を次々と咲かせる。野に咲く紺色の菊ということからついた名前。若葉が食用になるヨメナと間違えやすいが、ノコンギクは葉の両面に短い毛があり、触るとザラつくので区別できる。

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ススキ(薄)

〝夕焼小焼で 日が暮れて 山のお寺の 鐘がなる…〟。小学校のすぐ横の寺から、毎日夕方5時になると「ゴーン」。それはみちくさを切り上げる〝合図〟のようだった。ススキの季節になるとこの歌をなつかしく思い出す。秋の七草の一つ。葉が鋭く、何度手を切ったことか。家畜の飼料、屋根葺きに使われた。茅(かや)、尾花(おばな)とも呼ぶ。

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ヤマハッカ(山薄荷)

暑さがおさまるころからヤマハッカのかわいい花が見られる。ハッカに似て山に生えるのでこの名になったらしい。だが、ハッカの香りはなく、葉をかんでもスッとした清涼感もない。草の丈は50cmほど。日当りのよい草地の中で、枝をたくさん出し、青紫色の小さな花を数個ずつ段状につける。地味な花だが、なかなかきれいだ。

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ゲンノショウコ(現の証拠)

腹痛、下痢どめなどの妙薬として利用されてきたゲンノショウコ。道ばたなどで夏から秋に咲かせる5弁の小花がかわいい。夏に採った草を乾燥させ、煎(せん)じて服用した。効き目がすぐ現れることからこのおもしろい名が付いたという。西日本では紅紫色、東日本は白花が多いとか。「神輿(みこし)草」「医者いらず」「たちまち草」などの別名も。

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ヤドリギ(宿木)

名前のとおり他の木に寄生して育つ。下から見ると鳥の巣そっくりだが、近くで見ると神秘的だ。枝が多く、先端に竹とんぼのような形の葉が2枚、枝の節々に黄色の実がいっぱいついている。ヨーロッパでは神が宿る木とされ、クリスマスの飾りに。その下でくちづけをすると結ばれる、との言い伝えがあるそうだ。もうすぐクリスマス…。花言葉は「幸せになる」。

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カラスウリ(烏瓜)

ニワトリの卵を朱色にしたようなカラスウリの実が、やぶの中でのどかに揺れている。野原や竹やぶなどで、つる状に伸びてはびこる。夏の夜に咲く白いレースのような花は実に繊細だ。夕方から咲き出し、朝にはしぼむ。果実は花材のほか、しもやけなどの薬に、種子はせきどめ、根は利尿剤などになるそうだ。花言葉は「よき便り」

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ノブドウ(野葡萄)

白、青、青紫、紅紫…。いろんな色を見せてくれるノブドウの実はまるで宝石のようだ。野山のいたるところに生えるつる植物。夏の終りに、黄緑色の小花がたくさん集まって咲くが、地味で目立たない。秋になって丸い小さな実が、緑から青、紫…へと変わっていく。虫などは喜んで食べるが、有毒で人間はだめ。

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ミゾソバ(溝蕎麦)

子どものころは〝カエルグサ〟と呼んでいた。糸の先にこの葉を丸めて結びつけ、カエルの前で揺らすとすぐに食いつき、簡単にカエルが捕れたものだ。水田の周りや水辺などに群生。ピンク色の花はまるでコンペイトウのようだ。名前は溝に生えるソバに似た草の意味。葉の形が牛の顔を連想させるとして「ウシノヒタイ」の別名もあるそうだ。

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ムラサキシキブ(紫式部)

ほとんど葉を落としたムラサキシキブがたわわに実をつけ、重たそうに傾いていた。夏に咲く淡い紫色の花はそれほど目立たないが、濃い紫の実だけの姿はなか なか風情がある。このきれいな実を「源氏物語」の著者紫式部になぞらえてこの名がついたらしい。山野に自生するが、庭木としても好まれる。花言葉は「聡 明」「上品」。

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オッタチカンギク(乙立寒菊)

紅葉の立久恵峡を訪ねると、そそり立つ岩の割れ目で咲いているオッタチカンギクが楽しめる。小さな葉っぱに黄色い花。土がほとんどない岩の間で、どうして生き延びているのか―。 この花を見るたびに、その生命力のすごさに感服する。地元で発見されたことから地名をとってこの名に。貴重な“島根の野菊”が絶えないよう願うばかりだ。

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センブリ(千振)

数年前の秋晴れの日、山でセンブリの群生地を見つけた時は感動的だった。10cm余りの草丈、上を向いて群がるように咲く白っぽい花。品があって、まさに 行く秋を飾るにふさわしい花だ。以来、毎年この花に会うために通い続けている。胃に効く薬草として有名。苦みが強く、熱湯で千回振り出してもまだ苦いこと からこの名に。

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アキチョウジ(秋丁字)

紅葉の便りが聞かれるころになると、アキチョウジの青紫色の花が一段と鮮やかさを増す。草丈は50cmほど。茎の上の方に2cm足らずの細い筒状の花が、 まるで子どもの遠足の列みたいに並んでいる。一見、行儀よく並んでいるようだが、よくみるとそっぽを向いている花もある。半日陰を好むシソ科の多年草。西 日本にだけ自生する。

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コウヤボウキ(高野箒)

細い細い茎の先に直径1cm余りの白っぽい花。コウヤボウキが心地よさそうに秋の風に揺れている。花はあまり目立たないが、よく見ると小さなリボンで作っ たような花でなかなか面白い。その昔、高野山(和歌山)では竹がなく、この枝を束ねてほうきを作ったことからこの名がついたらしい。京都・伏見の酒蔵では 酒おけについた泡を取るのに使われたとか。

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ホトトギス(杜鵑草)

秋祭りののぼりが目につくころになると、ホトトギスの花が盛りになる。つぼみも花も形がユニークだ。笹に似た葉の根元に、ロケットのようなつぼみをつけ、開くと二階建ての花に。 花弁にある紫の斑点が野鳥のホトトギスの胸のもように似ていることから名付けられた。黄色や白い花も。花言葉は「永遠にあなたのもの」

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オモダカ(沢瀉)

稲刈りが終わったばかりの田んぼの片隅で、オモダカの真っ白い花を見つけた。たくさんの矢じりのような葉に囲まれて咲いている3弁の小花は、なかなか趣が ある。水田や沼地に自生する水草。古くから生け花に使われているそうだが、稲田では雑草扱いされてちょっとかわいそうな気がする。「面高」とも書く。

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トクサ(木賊)

小学生のころ、草野球の道具はほとんど手作りだった。丸太を削ったバットのグリップをトクサでせっせと磨いたことを、ついこの間のように思い出す。本によ ると「常緑性のシダ」とある。枝も葉もないと思っていたが、ほぼ等間隔にある節の黒く見えるのは葉っぱだそうだ。物を磨くのに使った「砥草」が名前の由来 とか。

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イソギク(磯菊)

秋も終わりが近付いてくると、イソギクの黄色い花が見ごろを迎える。背丈は30cmほど。いたって小柄だが、茎は枝分かれして低く広がり、てっぺんに色鮮 やかな小花がいっぱい咲く。葉の裏が白い毛に覆われており、表面からは白く縁取りをしたように見えるのが特徴だ。海岸の砂浜などに生え、地下茎が伸びて広 がる。

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ボクチ(火口)

秋も本番。澄んだ空気がなんとも気持ちいい。山道を歩くと、枝の先にとげのある丸いつぼみをつけたボクチが、重そうに首をかしげていた。やがて、つぼみの 先から淡い黄色の花びらがのぞき、アザミにそっくりの形をした花が咲く。火打石の火を移し取るものを火口(ぼくち)と呼び、この花を火口に使ったことから この名になったとか。生け花にはつぼみの方がおもしろい。

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クコ(枸杞)

畑の草取りをしていたら、近くの草むらに淡い紫色の小さい花を見つけた。近くに行ったらクコだった。倒れた長さ2メートルほどの幹の枝先に、かわいい5弁 の花をいっぱいつけていた。花のあとに卵形の実をつけ、秋が深まるころには真っ赤に色づいてくる。この実から枸杞酒をつくることはよく知られているが、葉 や根も解熱剤になるそうだ。

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ヒガンバナ(彼岸花)

“赤い花なら 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)・・・”と歌われる真っ赤なヒガンバナ。どうして暦が分かるのだろうか。秋の彼岸が近づくと、土手やあぜなどで 急に芽を出し、まるで火でもつけたかのように一度に咲き出す。細長い花びらが反り返り、上向きのしべが花の外に長く突き出る特有の形だ。花が終わった後に 葉を出すが、春には枯れる。

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ハゼ(櫨)

燃えるような真っ赤な色で山道を彩ってくれたハゼ。ほとんど葉を落とした大木の下で、いま小さな子どものハゼたちがきれいな色を自慢でもしてるように寄り 添っている。幹も葉もなんともかわいらしく、まるで自然がつくった盆栽だ。きっと仲良しの兄弟に違いない。秋の実から蝋を採ったことから「蝋の木」とも呼 ばれる。

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アキノキリンソウ(秋の麒麟草)

草眠る頃となった。野の草花が次々と姿を消していく中で、いまもけなげに咲き続けているのがアキノキリンソウだ。細い茎の先に黄色い小花を筒のようにつ け、秋の日を受けて輝いている。6月ごろに咲くキリンソウ(麒麟草)に花がそっくりなところからこの名前がついたらしいが、全くの別種。泡立草の別名もあ る。

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リュウノウギク(竜脳菊)

映画が好きだった少年時代。感動して見た作品の一つに、木下恵介監督の名作、『野菊の如き君なりき』がある。ぼかしが入った初恋の回想シーン。そこにふん だんに登場したのがこの花だったと思う。白っぽい小さな葉、白からわずかにピンク色を帯びていく花。上品で、物静かな雰囲気は淡い恋物語にはぴったりだ。

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セイタカアワダチソウ(背高泡立草)

黄色い花畑が次から次へと誕生する。セイタカアワダチソウの花の季節だ。近くで見ても、遠くからでも色鮮やかできれいなのに、なぜか評判はいま一つだ。場 所を選ばずにはびこるせいだろうか。そういえば、子どものころにには今ほど見なかった。近年、荒れた田畑が増え、繁殖しやすくなったのかも。北米の原産 で、明治の末に渡来したらしい。

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フジバカマ(藤袴)

秋の七草の中で、しとやかな雰囲気を一番持っているのがフジバカマだ。枝の先に傘のように咲く藤色の小花、三つに割れた独特の葉、それぞれに味わい深い。 野山の傾斜地などに自生する多年草。花の見ごろが長いのと、手がかからないことから、育てている人も多い。庭にぜひともほしい草花の一つだ。

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ツルリンドウ(蔓竜胆)

ツルリンドウが、小さな木の枝にしがみつきながらかわいい花を咲かせている。葉のわきにつけた筒形の花は、約3cmと小さく、色も淡い紫。ふつうのリンド ウの凛とした花に比べれば地味だが、けなげでいい。花のあとの実もまた楽しめる。特に、雪化粧した山で見る赤い、だ円形の実は鮮やかで、感動的だ。

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