サンシュユ(山茱萸)

「春黄金色」とも呼ぶそうだ。この花が好きで、よく”庭のサンシュの木 鳴る鈴かけて・・・”と口ずさみながら眺めていた。ところが、最近「ひえつき節」 でいうサンシュは、料理に使うサンショウ(山椒)のこと、と知っておどろいた。枝いっぱいに黄色い花をつけた姿は風雅で、秋に赤くなる実もきれいだ。庭木 に好まれるのもうなずける。

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オウバイ(黄梅)

早春の花には黄色いものが多い。日光が弱いため、光を吸収しやすいように、との植物の知恵だそうだ。梅が咲くころ、葉に先立って咲き出すオウバイの花も黄 色だ。筒状の小花が梅に似ているところから名がついたらしいが、梅の仲間ではない。つるのような緑色の枝が伸び、地面に垂れて根を出す。中国原産で17世 紀に渡来。「迎春花」の名も。

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ネコノメソウ(猫目草)

” 春よ来い 早く来い…”雪が多かったこの冬。まだ”雪布団”が点々と残る山のふもとで、もうネコノメソウが咲いていた。背丈は10cmほど。茎の先には、 たくさんの葉に支えられて黄色い小花が数個。こけの中で仲良く並んでいるのがほほえましい。名前は、熟した実が瞳を閉じた猫の目に似ていることからついた とか。

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カラタチバナ(唐橘)

センリョウ、マンリョウと並ぶ縁起ものとして喜ばれるカラタチバナ。ヒャクリョウ(百両)とも呼ばれる。笹にそっくりの葉を広げ、その下から赤や黄色の実がのぞいているのがかわいい。枝がなく、直立しているのが特徴だ。花言葉は「富」「財産」。
(みちくさを連載して6年目。今回が節目の101回目となりました。ご愛読いただいた皆さまに心から感謝しています)

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ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)

もう師走。草ものが減り、寂しくなった山道で真っ赤な実をつけたヒヨドリジョウゴを見つけた。ヒヨドリがこの実を好んで食べるのでこの名がついたらしい。 そういえば、ナンテンほどの実はかわいらしく、柔らかでいかにもうまそうだ。この日まで見逃してくれたヒヨドリにお礼をいいたい。ナス科の多年草。夏から 秋にかけて白い小さな花をつける。

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ムラサキシキブ(紫式部)

ほとんど葉を落としたムラサキシキブがたわわに実をつけ、重たそうに傾いていた。夏に咲く淡い紫色の花はそれほど目立たないが、濃い紫の実だけの姿はなか なか風情がある。このきれいな実を「源氏物語」の著者紫式部になぞらえてこの名がついたらしい。山野に自生するが、庭木としても好まれる。花言葉は「聡 明」「上品」。

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オッタチカンギク(乙立寒菊)

紅葉の立久恵峡を訪ねると、そそり立つ岩の割れ目で咲いているオッタチカンギクが楽しめる。小さな葉っぱに黄色い花。土がほとんどない岩の間で、どうして生き延びているのか―。
この花を見るたびに、その生命力のすごさに感服する。地元で発見されたことから地名をとってこの名に。貴重な“島根の野菊”が絶えないよう願うばかりだ。

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センブリ(千振)

数年前の秋晴れの日、山でセンブリの群生地を見つけた時は感動的だった。10cm余りの草丈、上を向いて群がるように咲く白っぽい花。品があって、まさに 行く秋を飾るにふさわしい花だ。以来、毎年この花に会うために通い続けている。胃に効く薬草として有名。苦みが強く、熱湯で千回振り出してもまだ苦いこと からこの名に。

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アキチョウジ(秋丁字)

紅葉の便りが聞かれるころになると、アキチョウジの青紫色の花が一段と鮮やかさを増す。草丈は50cmほど。茎の上の方に2cm足らずの細い筒状の花が、 まるで子どもの遠足の列みたいに並んでいる。一見、行儀よく並んでいるようだが、よくみるとそっぽを向いている花もある。半日陰を好むシソ科の多年草。西 日本にだけ自生する。

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コウヤボウキ(高野箒)

細い細い茎の先に直径1cm余りの白っぽい花。コウヤボウキが心地よさそうに秋の風に揺れている。花はあまり目立たないが、よく見ると小さなリボンで作っ たような花でなかなか面白い。その昔、高野山(和歌山)では竹がなく、この枝を束ねてほうきを作ったことからこの名がついたらしい。京都・伏見の酒蔵では 酒おけについた泡を取るのに使われたとか。

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ホトトギス(杜鵑草)

秋祭りののぼりが目につくころになると、ホトトギスの花が盛りになる。つぼみも花も形がユニークだ。笹に似た葉の根元に、ロケットのようなつぼみをつけ、開くと二階建ての花に。
花弁にある紫の斑点が野鳥のホトトギスの胸のもように似ていることから名付けられた。黄色や白い花も。花言葉は「永遠にあなたのもの」

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オモダカ(沢瀉)

稲刈りが終わったばかりの田んぼの片隅で、オモダカの真っ白い花を見つけた。たくさんの矢じりのような葉に囲まれて咲いている3弁の小花は、なかなか趣が ある。水田や沼地に自生する水草。古くから生け花に使われているそうだが、稲田では雑草扱いされてちょっとかわいそうな気がする。「面高」とも書く。

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マツムシソウ(松虫草)

残暑の中で風にそよぐマツムシソウの花は初秋の風物詩だ。日当りのよい草原で、細長い枝先に母が使っていた針山の形をした直径5cmほどの花をつける。青 紫色の花は、楚々とした、という表現がぴったりで、涼しげだ。マツムシが鳴くころに咲くことからこの名がついたとか。花を咲かせた株は枯れる。草丈は約 70cm前後。

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ヒオウギ(檜扇)

剣のような葉が並んでいるところが、平安時代の公家が使ったヒノキの扇に似ている、としてこの名前がついたらしい。真夏になると1mほどの茎を立て、枝先 に赤い斑点のある緋色(ひいろ)の花を見せてくれる。花後につける黒光りする種は「ぬばたま」と呼ばれ、黒、夜、闇などの枕詞(まくらことば)として使われ た。草原などに自生する多年草。射干とも書く。

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キキョウ(桔梗)

紙風船を思わせるつぼみが5つに割れ、青紫色の星のような花に・・・。野で咲く凛とした姿に心が癒されるのか、キキョウは古くから盆提灯、うちわ、掛軸な どによく描かれていた。涼しげな花の美しさを詠んだ歌も少なくない。盆花にと草の中を摘みに歩いたころがなつかしい。白い花や八重咲きも。花言葉は「誠実 な姿」

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トウテイラン(洞庭藍)

暑さが盛りを迎えるころからがトウテイランの花の季節だ。葉や茎は白い毛に覆われ、青紫の花穂を伸ばしながら秋まで咲き続ける。山陰の東部と隠岐だけに自 生。両陛下が初めて島根を訪問された1967年、美智子様が「きれいな花ですね」と名前を聞かれたことから、自生地の知夫村では今も「美智子様の花」とし て伝えているという。中国の洞庭湖の水の色からつけた名とか。

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アカツメクサ(赤爪草)

高校野球の季節がやってきた。2人の子どもが球児だったこともあって思い出が多い。球場からの帰り道でよくこの花が咲いていた。チアリーダーが振るボンボ ンに似たピンクの花、絣(かすり)もようの葉。なかなかおしゃれだ。ヨーロッパ原産で牧草として各地に広まったらしい。まれに白い花も。別名ムラサキツメ クサ。

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ムラサキツユクサ(紫露草)

におうような青紫の色の3弁の小花、そばから両手をひろげたように伸びる細長くとがった葉。一風変わった形をしたムラサキツユクサが庭の隅でひっそりと咲 いている。葉や茎が白っぽい緑色なのが花の色を一層引き立てている。草丈は50cmほど。朝咲いて夕方にはしぼむ一日花。雨の季節に長らく咲き続けてくれ るのがうれしい。北米原産とか。

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ユキノシタ(雪の下)

苔に覆われた石垣のすき間からユキノシタの白い花が初夏の風にそよいでいる。遠目にみると、まるで雪でも降っているかのようだ。花びらは上の3枚が短く、 紅色のもよう入り、下の2枚が白くて長い。幼い女の子のかんざしを思わせてかわいい。丸い葉は山菜のほか薬草にも。細いひげを伸ばして繁殖する。「鴨足 草」「虎耳草」とも書く。

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チチコグサ(父子草)

コイノボリの季節。全身に綿毛がびっしり生えたチチコグサが、茎のてっぺんに褐色の小花をいっぱいつけて寄り添っている。黄色い花で、ふっくらとして見え るハハオグサ(母子草)に似ているが、地味で、小さくやせている姿からこの名になったとか。特徴を見事にとらえて命名したセンスの良さに脱帽。

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ショウジョウバカマ(猩々袴)

いかめしい名前に似合わず趣のある花だ。咲き方もユニーク。地面にきれいに広がる葉の中心から、いきなり花をのぞかせ、花を持ち上げるように15cmほど 茎を伸ばす。紅色の花を大酒のみの猩々の赤ら顔に、葉の形を袴に見立てて命名されたとか。花の色は白、褐色、ピンクから濃い紫までいろいろ。やや湿った山 地を好むらしい。

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レンゲソウ(蓮華草)

ピンク色に染まった田んぼ。その中を近道して学校に通ったこと、近くで牛がのどかに耕していたこと・・・。レンゲソウを見ると、幼いころのことがきのうの ことのように思い出される。肥料用に栽培されていたが、化学肥料に押されて今は珍しくなった。花がハスの花に似ているとしてこの名に。ゲンゲ(紫雲英)と もいう。花言葉は「幸福」。

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キブシ(木五倍子)

三月も半ばを過ぎると、山道で枝いっぱいに黄色い玉のれんのような花穂を下げたキブシが迎えてくれる。まだ若葉もほとんどない林の中で、そこだけが春の先 取りしたかのようだ。花のあとにつける実を、タンニンの原料の五倍子(ふかし)の代用にしたことからこの名がついたとか。花言葉がいい。「待ち合わせ」 「うれしい出会い」。

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ナノハナ(菜の花)

” 菜の花畠に 入日暮れ 見わたす山の端 霞ふかし・・・”。辺り一面を黄色に染めるナノハナは春を代表する花の一つだ。この花には和ませてくれるだけでなく、励まし、元気づけてくれる生命力があ る。ダイコン、カブの花と同じ十字花。茎を伸ばしながら咲き続ける。花言葉は「快活」「豊かな日々」。

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ホトケノザ(仏の座)

よちよち歩きの孫と散歩に出たら、道ばたでホトケノザがいっぱい咲いていた。眺めていたら孫が何本かちぎってくれた。紅紫色の衣装を着けた仏さんたちが、 数枚の葉が重なった台座の上で、思い思いのポーズをとっていかにも楽しそうだ。ちなみに春の七草にいうホトケノザは、あぜ道などで黄色の花をつけるタビラ コ(田平子)。

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ジンチョウゲ(沈丁花)

夏のクチナシ、秋のキンモクセイ、冬のソシンロウバイと並んで、古くから「香りの木」として親しまれている。香料の沈香(じんこう)と丁字(ちょうじ)を 合わせたくらい良い匂いがする、として名付けられたという。丸く刈り込んだように育つのが特徴だ。中国原産で日本には室町時代に渡来。全体に白い花のもの や、葉に斑(ふ)が入ったものもある。

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マンリョウ(万両)

小雪が舞う朝。マンリョウの実を見つけたのか、庭にツグミらしい2羽の鳥がやってきた。実を食べられる前に、と早速描いてみた。冬に赤い実をつける草木は 多いが、これほど深みのある赤色のものはあまりない。センリョウ(千両)に勝る、として名付けられたらしいが、縁起の良い名と実の美しさから両方とも正月 の飾りなどに使われる。

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ハボタン(葉牡丹)

“もういくつねると お正月…”。年の瀬になると、どこに行ってもハボタンが目につく。ボタンの花に似ていることから名付けられたらしい、が花ではない。もとはキャベツの仲間 のケールを鑑賞用に改良したものだそうだ。寒さに強く、正月の花壇や門松のほか生け花にも好まれる。ヨーロッパが原産地。花言葉は「祝福」。

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サザンカ(山茶花)

木枯らしに吹かれて垣根のサザンカの花が寒そうに揺れている。花の少ない冬に咲くさびた風情が好まれ、古くから庭樹、街路樹などのほか、茶花としても愛用 されてきた。自生種は白色の一重咲きだが、いまでは約300種にも。ツバキとの見分け方は、花びらがばらばらに散ったらサザンカだそうだ。

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トクサ(木賊)

小学生のころ、草野球の道具はほとんど手作りだった。丸太を削ったバットのグリップをトクサでせっせと磨いたことを、ついこの間のように思い出す。本によ ると「常緑性のシダ」とある。枝も葉もないと思っていたが、ほぼ等間隔にある節の黒く見えるのは葉っぱだそうだ。物を磨くのに使った「砥草」が名前の由来 とか。

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イソギク(磯菊)

秋も終わりが近付いてくると、イソギクの黄色い花が見ごろを迎える。背丈は30cmほど。いたって小柄だが、茎は枝分かれして低く広がり、てっぺんに色鮮 やかな小花がいっぱい咲く。葉の裏が白い毛に覆われており、表面からは白く縁取りをしたように見えるのが特徴だ。海岸の砂浜などに生え、地下茎が伸びて広 がる。

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ボクチ(火口)

秋も本番。澄んだ空気がなんとも気持ちいい。山道を歩くと、枝の先にとげのある丸いつぼみをつけたボクチが、重そうに首をかしげていた。やがて、つぼみの 先から淡い黄色の花びらがのぞき、アザミにそっくりの形をした花が咲く。火打石の火を移し取るものを火口(ぼくち)と呼び、この花を火口に使ったことから この名になったとか。生け花にはつぼみの方がおもしろい。

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クコ(枸杞)

畑の草取りをしていたら、近くの草むらに淡い紫色の小さい花を見つけた。近くに行ったらクコだった。倒れた長さ2メートルほどの幹の枝先に、かわいい5弁 の花をいっぱいつけていた。花のあとに卵形の実をつけ、秋が深まるころには真っ赤に色づいてくる。この実から枸杞酒をつくることはよく知られているが、葉 や根も解熱剤になるそうだ。

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ヒガンバナ(彼岸花)

“赤い花なら 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)・・・”と歌われる真っ赤なヒガンバナ。どうして暦が分かるのだろうか。秋の彼岸が近づくと、土手やあぜなどで 急に芽を出し、まるで火でもつけたかのように一度に咲き出す。細長い花びらが反り返り、上向きのしべが花の外に長く突き出る特有の形だ。花が終わった後に 葉を出すが、春には枯れる。

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マツヨイグサ(待宵草)

月の光を待っていたかのように咲くことから一般には「月見草」と呼ぶが、竹久夢二は「宵待草」と呼んだ。“待てど 暮らせど こぬひとを 宵待草の やる せなさ・・・”。夢二が旅先の千葉で出会った女性に一目ぼれ。一年後、再開を夢見て訪ねたが果せず、失意の中で生まれたのがこの歌、といわれている。明治 末期の夏のことだ。

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ホオズキ(鬼灯)

ホオズキを見ると思い出す。オレンジ色をした丸い実の中身を楊子などでかき出し、皮だけになった実を口で鳴らしたり、麦わらの茎で空に向けて吹き、空中で 踊らせた昔のことを。夏休みの楽しい遊びの一つだった。このごろ、ホオズキ市は各地で開かれているが、庭先で育てている家を見かけなくなったのはちょっと 寂しい。

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ヤブラン(藪藍)

咲く花は うつろふ時あり あしひきの 山菅の根し 思ほゆるかも(大伴家持)にある山菅(やますげ)はヤブランの古名。古くから親しまれたらしく、歌にも数多く登場する。つやのある深緑の葉、その中に立つ 淡い紫色の花茎。見るからに涼しげで、夏の暑さを忘れさせてくれる。葉がランの仲間に似ていることからこの名に。花後に黒光りする実をつける。

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キンミズヒキ(金水引)

梅雨明けが近くなると、鮮やかなキンミズヒキの花が目を引く。細い茎が枝分かれして伸び、枝先の花穂にかわいい5弁の花をいっぱいつける。細長い花穂が秋 に咲くミズヒキに似ていて、花が黄色いことからこの名になったらしいが、ミズヒキとは全くの異種。実にかぎ形のとげがあり、ちょっと触れただけですぐ服に ひっつく。

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コマツナギ(齣繋)

野山で生えている姿は草のようだが、実はマメ科の木だそうだ。高さは1mほど。梅雨ごろからかわいいピンクの花穂を伸ばし、秋にかけて咲き続ける。根が強 く、安心して馬をつないでおける、というのでこの名前になったとか。小学生時代、よく学校帰りに馬車の荷台に乗せてもらった。あの馬たちもつながれていた かもしれない。

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ササユリ(笹百合)

ちまき用の笹を採りに行くと、
毎年同じところに大輪のユリが咲いていた。背筋をぴんと伸ばし。優雅に咲いている姿は、花言葉の「清浄」「上品」そのものだ。日本を代表する花で西日本に はこの花をシンボルマークにしている自治体も多い。葉が笹に似ていることからこの名がついたが、「さゆり」の呼び名も。香りもまたすばらしい。

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ハンショウヅル(半鐘蔓)

新緑の山道を歩くと、葉の陰でブランコをしている釣鐘たちに出会える。3cmほどの花は赤紫色で肉厚。まるでお菓子の花みたいだ。つぼみは白い球だが、次 第に先端が四つに割れて色づき始める。火事などの時に打ち鳴らした半鐘に似ているとしてこの名に。そういえば、半鐘がつるしてあった火の見やぐらは時代劇 でしか見られなくなった。

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ニワゼキショウ(庭石昌)

田植えのころになると、あぜ道や空き地のニワゼキショウが空に向かって次々と花を咲かせる。草丈は10cm余り。うっかりすると踏みそうだ。濃い紫色から 白っぽいものまで花の色もさまざま。どこでも見られるが、実は北アメリカ原産で、明治時代に渡来。庭で栽培されていたのが広がったという。朝開いて夕方にはしぼむ一日花だ。

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シロツメクサ(白詰草)

“しろつめくさの花がさいたら さあいこうラスカル”。息子たちが小学校に上がるころ、よく見ていたテレビアニメの主題歌だ。この花を見ると時々あのころを思い出す。「四つ葉のクローバー」で知られ、ヨーロッ パが原産。花で首飾りを編んだり、四つ葉を探した幸せな思い出が多い。昔、乾燥させて詰めものとして使ったことからこの名に。

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シャガ(射干)

実家の裏山にシャガの群生地があった。新学期が始まるころ、薄暗い杉林の中に白い花が浮き上り、やがて一面にすばらしい“花畑”ができた。チョウが群がっ たように見える花は「胡蝶蘭」の別名がぴったり。厚くて光沢のある葉にしっかりとガードされている。昔、中国から入ってきたと伝えられ、人里近くに生えて いることが多い。

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イカリソウ(錨草)

サクラが咲くのに歩調を合わせるかのように、イカリソウの花の季節がやってきた。まだ伸びきっていないハート形の若葉の下で、錨に似た淡い紫色の花がうつ むきながら連なっている。遠足で見つけた幼い思い出のせいか、いま見てもほおずりしたいくらいかわいい。白い花も多く、碇草とも書く。漢方では強壮剤に使 われているという。

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タンポポ(蒲公英)

ふんわりとしたわた菓子を茎に大事そうにのせながら、道ばたのタンポポの花が春の歌をうたっている。地面にはりついたように生えている形が鼓面に似ている として「鼓草」(つづみぐさ)の呼び名も。子どもたちが鼓の音を連想して“タンポポ”“テンポポ”と言い出したのが名前になったとされている。花言葉は 「また逢う日まで」「楽しい思い出」。

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ヒメオドリコソウ(姫踊子草)

赤茶色のとんがり帽子をのせたようなヒメオドリコソウ。春の日差しがうれしいのか、ハート形の葉のすき間からピンクの小花が“イナイ イナイ バー”をし ている。地味な草で、つい見逃しやすいが、よく見ると花の形が笠をかぶった踊子にたしかに似ている。おしゃれな名前をつけたものだ。シソ科で、ヨーロッパ からの帰化植物らしい。

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イヌフグリ(犬ふぐり)

立春は過ぎたが、まだ“春は名のみの 風の寒さや”だ。そんな寒さも大してこたえないのか、日だまりでもうイヌフグリが空色の小花をのぞかせている。いつ も雑草扱いしかされないが、花はきれいで「まるで宝石箱をひっくり返したようだ」と書いた人がいた。朝に咲き、午後にはしぼむ。ユーモラスな名前は実の形 から。

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