カテゴリー別アーカイブ: ア〜オ

アキチョウジ(秋丁字)

紅葉の便りが聞かれるころになると、アキチョウジの青紫色の花が一段と鮮やかさを増す。草丈は50cmほど。茎の上の方に2cm足らずの細い筒状の花が、 まるで子どもの遠足の列みたいに並んでいる。一見、行儀よく並んでいるようだが、よくみるとそっぽを向いている花もある。半日陰を好むシソ科の多年草。西 日本にだけ自生する。

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オモダカ(沢瀉)

稲刈りが終わったばかりの田んぼの片隅で、オモダカの真っ白い花を見つけた。たくさんの矢じりのような葉に囲まれて咲いている3弁の小花は、なかなか趣が ある。水田や沼地に自生する水草。古くから生け花に使われているそうだが、稲田では雑草扱いされてちょっとかわいそうな気がする。「面高」とも書く。

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アカツメクサ(赤爪草)

高校野球の季節がやってきた。2人の子どもが球児だったこともあって思い出が多い。球場からの帰り道でよくこの花が咲いていた。チアリーダーが振るボンボ ンに似たピンクの花、絣(かすり)もようの葉。なかなかおしゃれだ。ヨーロッパ原産で牧草として各地に広まったらしい。まれに白い花も。別名ムラサキツメ クサ。

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イソギク(磯菊)

秋も終わりが近付いてくると、イソギクの黄色い花が見ごろを迎える。背丈は30cmほど。いたって小柄だが、茎は枝分かれして低く広がり、てっぺんに色鮮 やかな小花がいっぱい咲く。葉の裏が白い毛に覆われており、表面からは白く縁取りをしたように見えるのが特徴だ。海岸の砂浜などに生え、地下茎が伸びて広 がる。

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イカリソウ(錨草)

サクラが咲くのに歩調を合わせるかのように、イカリソウの花の季節がやってきた。まだ伸びきっていないハート形の若葉の下で、錨に似た淡い紫色の花がうつ むきながら連なっている。遠足で見つけた幼い思い出のせいか、いま見てもほおずりしたいくらいかわいい。白い花も多く、碇草とも書く。漢方では強壮剤に使 われているという。

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イヌフグリ(犬ふぐり)

立春は過ぎたが、まだ“春は名のみの 風の寒さや”だ。そんな寒さも大してこたえないのか、日だまりでもうイヌフグリが空色の小花をのぞかせている。いつ も雑草扱いしかされないが、花はきれいで「まるで宝石箱をひっくり返したようだ」と書いた人がいた。朝に咲き、午後にはしぼむ。ユーモラスな名前は実の形 から。

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アキノキリンソウ(秋の麒麟草)

草眠る頃となった。野の草花が次々と姿を消していく中で、いまもけなげに咲き続けているのがアキノキリンソウだ。細い茎の先に黄色い小花を筒のようにつ け、秋の日を受けて輝いている。6月ごろに咲くキリンソウ(麒麟草)に花がそっくりなところからこの名前がついたらしいが、全くの別種。泡立草の別名もあ る。

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オミナエシ(女郎花)

セミの声を聞きながら、オミナエシがのんびりと体を揺らしている。てっぺんの黄色い小花のかんざしが重たいのだろうか…。草の中で咲いている姿は、どこか 繊細で、女らしい。秋の七草の一つ。盆花として古くから親しまれ、「粟花」とも呼ばれる。形がそっくりで花が白く、茎に毛があるのはオトコエシ(男郎 花)。

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アケビ(通草)

初めてこの花を見た時の感動はいまだに忘れられない。逆光線の中で、まるで小さな宝石の房に出会った思いだった。秋に実る、あのユーモラスな形をした果実 の花とはとても思えない趣きがある。春に新芽とともに黒紫色の小花が鈴なりになって咲き出す。実が熟すと口をあけることからアケビ(開け実)となったと か。白い果肉の甘さがなつかしい。

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イヌタデ(犬蓼)

秋の深まりにつれ、赤味を増していくイヌタデの花は、数多いタデの仲間でも最も見栄えがする。女の子がままごと遊びで赤飯にしたことから「赤のまんま」と も呼ぶ。この方が何となく親しみやすい。余談だが、「蓼食う虫も好き好き」はヤナギタデからきた言葉。葉っぱが辛いのに、それを食べる虫もいる・・・人の 好みもさまざま、のたとえ。

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オケラ(蒼朮)

秋の光はどこか優しい。そんな光を浴びながら、ひっそりと咲いているのがオケラだ。小さなわた帽子をかぶったような花は地味だが、どこか野趣を感じさせて いい。日当たりの良い山地に自生し、高さは50cm前後。春、古い根から出る若苗は白い毛に包まれて実にきれいで、山菜としても人気がある。ドライフラ ワーにすると年中楽しめる。ウケラともいう。

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エノコログサ(狗尾草)

どこに出掛けてもエノコログサが頭を深々と下げ、優しく迎えてくれる。名前からしてかわいらしい。花穂が子犬のしっぽに似ているところからこの名が付い た。また、花穂で猫をじゃれさせて遊ぶことから「ネコジャラシ」の別名でも親しまれている。小学生のころ、下校途中にいつもこの草を持ち歩き、いろんなわ るさをしたのがなつかしい。

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オニユリ(鬼百合)

猛暑の中でオニユリが悠然と咲いている。朱赤色の花びらをくるりと反り返らせ、長い蕊を踊らせている姿は少々派手だが、真夏にはぴったりだ。小さいころ、 盆の花としてオミナエシ、キキョウなどと一緒に花摘みに走り回ったものだ。球根は茶わん蒸しに使ったりする。天蓋百合の呼び名もあるが、雲南地方では 「ガーラ」ともいう。

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ウツボグサ(靱草)

梅雨になると、あちこちの道ばたでウツボグサが咲き出す。草丈は20~30cm。四角い茎のてっぺんに円筒状の花穂をつけ、これに紫色の小花が次々と開く。 花の形が矢を入れる靱に似ていることからこの名になったらしい。子どものころ、花びらを抜いて蜜を吸った思い出がある。「夏枯草」の呼び名も。朝露の中で 見る花は一段と鮮やかだ。

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オキナグサ(翁草)

この春は暖かいせいか、いつもの年よりかなり早く花を見せてくれた。草丈は10cmあまり。全身が白い毛におおわれ、はずかしそうに下を向いて咲いている。 花の内側は深みのある紅紫色。花のあと、白い羽毛をかぶった雌しべの形が翁の白髪を思わせるところからこの名が付いたらしい。日当たりと水はけの良い山の 草地に自生する。根が深いのが特徴。

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ウメ(梅)

立春が過ぎたと思ったら、真っ先に梅の花が開きはじめた。寒さの中で、凛として咲いている姿は気品を感じさせる。ごつごつした古木の幹と、真っすぐで、し なやかな若枝が対照的でまた面白い。古くに中国から渡来し、現在は300種を超えるとか。にぎやかな宴の桜の花見も悪くはないが、静かに風情を楽しむ梅の 花見はもっといい。

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